彼は財務家らしい明快さと正確さをもって、専門用語を自在に操りつつ、この驚くべき冒険譚を語った。
イタリアがローマを征服したその翌日、ついに渇望してきた首都を手に入れたという思いに、国全体が熱狂しきっていた。古代からの栄光を誇る街、世界帝国を約束された永遠の都を、ようやく自らのものとしたのだ。昨日生まれたばかりの若い国民が、その力を証明しようと焦りに燃えていたのも当然であった。
まず必要だったのは、ローマを掌中に収め、近代的な首都としてふさわしい姿に変えること。なによりも急務だったのは、あの恥ずべき汚穢を掃き清めることだった。当時のローマの汚れようは、もはや想像を絶するほどだった。公衆便所すらなく、街路はすべての用足しの場となり、荘厳な廃墟はごみ捨て場にされ、由緒ある宮殿の周囲は排泄物で汚されていた。野菜くずや廃棄物、腐敗した物質が至る所に堆積し、街路は毒を含んだ下水と化して、絶え間なく疫病を吹き出していた。
大規模な都市整備事業が不可欠であり、それはまさに生存のための施策であった。清浄と刷新によって新しい命を確保すること。そして、新たに四方から押し寄せる人々を収容する住宅を建てることも正当な要請であった。事実、ドイツ帝国成立後のベルリンでは人口が電撃的に数十万単位で膨れあがった。ローマも同じく倍増、三倍増、いや五倍増するはずであり、各地の活力を吸い寄せ、国民生活の中心に、国家の心臓部にならねばならなかった。
そこへさらに誇りが絡んだ。ヴァチカンの旧政府に見せつけてやらねばならない――イタリアはこれほどの力を持つのだと。新しいローマ、すなわち「第三のローマ」は、帝政ローマにも教皇のローマにも勝り、その壮麗な大通りとあふれる群衆によって、よりまばゆく世界を照らすだろうと。
しかし最初の数年、建設の動きはまだ多少慎重さを保っていた。必要に応じて順次建てていく分別はあった。だが一挙に人口は倍増し、20万から40万へと膨れあがった。官庁に伴ってやってきた役人や職員、その家族、国家に寄生しようと群がる群衆、さらには遊興と享楽を求める取り巻き――それが最初の酔いを生み出した。この勢いは続き、いやさらに加速すると誰もが信じて疑わなかったのだ。
昨日のローマではもはや足りず、明日の需要に応えるため、古い荒れ果てた郊外にまで拡張せねばならなくなった。例に引かれたのは第二帝政期のパリであった。そこは拡張され、光と健康の都市へと生まれ変わったではないか、と。
だが不幸だったのは、ティベレ川の岸辺には、最初から全体を見通す総合計画も、強力な金融団体を背景にした指導者も存在しなかったことだ。かくして、ローマを再び世界の都へと変貌させようという古代からの誇大な夢は、野放図な投機熱によって完成されてしまった。前触れもなく生まれ、猛威を振るい、すべてを破壊して飲み込み、何者にも止められない金融の嵐――その一つがここに吹き荒れたのだ。
突如として流布したのは、1平方メートル5フランで買った土地が100フランで売れるという噂だった。そして熱狂が燃え上がった。賭け事に熱中する民衆の血がたちまち沸騰したのである。北イタリアから一群の投機家たちが飛来し、ローマという最も高貴で最も容易な獲物に群がった。山間から来た貧しい飢えた者たちにとって、南国の甘美な空気の中で欲望の饗宴が始まった。その柔らかな気候さえ、腐敗を促進させた。
最初のうちは、瓦礫の散乱する旧市街を掘り返すだけで、金貨が雨のように拾えた。新しい大通りの計画をいち早く嗅ぎつけ、収用予定の建物を先回りして買った者たちは、2年も経たぬうちに資産を十倍にした。やがて熱狂は拡がり、町全体をむしばみ、住民自身が次々と巻き込まれた。王侯、ブルジョワ、小地主、さらには店主、パン屋、八百屋、靴屋に至るまで、あらゆる階層が狂気にとり憑かれた。その後には、なんと一介のパン屋が4,500万フランもの破産をしたと語り草になるほどだった。
もはやそれは狂乱の賭博にほかならなかった。教皇庁のロトー(富くじ)ののんびりした遊びに代わって、何百万という巨額が飛び交う、土地や建物が単なる株式取引の口実となるような壮大なゲーム。ローマを世界の首都に変えるという古代からの誇大な夢が、この投機熱の中で狂気にまで高められ、土地を買い、建物を建てては売りさばき、やめどもなく繰り返された。それはまるで、印刷機が刷りさえすれば株券を際限なく発行するのと同じであった。
確かに、進化の途上にある都市で、これほど異様な光景を示した例はかつてなかった。今日あらためて振り返ってみても、理解に苦しむほどである。人口は40万を超えて停滞していたにもかかわらず、新しい街区は土から次々と芽を出し、ますます濃密に繁茂していった。いったい、どの未来の民衆のために、あれほどの狂気をもって建設が進められたのか? どうして住む人々を待たずに、明日の家族のために、あるいは来るかどうかもわからぬ未来の人々のために、何千もの住居を用意するという錯誤に陥ったのか? 唯一の弁解は、「第三のローマ」、すなわち勝利のイタリアの首都は、決して100万の魂に満たぬことはありえない、とあらかじめ疑う余地なき真理として掲げた点にあった。彼らはまだ来ていなかったが、必ず来るはずだ――どの愛国者もそれを疑うことは国家に背く罪とみなされただろう。こうして建てに建て続け、休むことなく建て続けて、50万の市民が途中まで来ているのだと信じ込んだ。到着の日を気にする必要もなく、ただ彼らを当てにしていればよかったのである。
さらに、ローマ市内では、老朽化した街区を壊して大通りを切り開くために結成された建設会社が、建物を売却したり貸し出したりして大きな利益をあげていた。しかし狂気が膨張するにつれ、利欲の飢えを満たそうと、さらに新しい会社が次々と生まれ、今度はローマの外に新たな街区を築くことを目的とした。サン・ジョヴァンニ門、サン・ロレンツォ門には奇跡のように新しい郊外が現れた。ルドヴィージ邸の広大な土地――サラリア門からピア門、さらに聖アニェーゼまで――そこにも新しい街の原型が築かれた。そしてついにシャトー・プレ地区では、一挙にひとつの都市全体を生み出そうとしたのだ。そこには教会も学校も市場も備えられていた。
しかもそれは労働者向けの小さな家や、庶民や小役人向けの慎ましい住宅ではなく、巨大な建造物、本物の宮殿さながらの3階建て、4階建ての建物であった。無機質にして途方もなく長大なファサードが連なり、それら辺境の新街区を、まるでバビロニアのごとき光景に変えてしまった。そんな街を満たすことができるのは、パリやロンドンのように活気と産業を抱えた大都市だけであったろう。――これこそが、誇りと投機が生み出した怪物的な産物である。そして今や荒廃したローマにとって、なんと苦い教訓であろうか。今日なお彼女を取り巻くのは、大半が未完成のまま放棄された、白っぽい巨大な廃墟の帯であり、崩れかけた瓦礫はすでに雑草の生い茂る街路に散らばっているのだ。
そして避けがたい崩壊、恐るべき破局が訪れた。ナルシスはその理由と段階を明快にたどり、ピエールにもはっきりと理解させた。投機の温床から数多の金融会社が生まれた――不動産会社「インモビリエーレ」、建築会社「ソチエタ・エディリツィア」、土地会社「フォンダリア」、ティベリーナ社、エスクイリーノ社。ほとんどすべてが巨大な家々、通り全体を建設し、それを転売していた。だが同時に土地投機にも手を出し、莫大な利益を乗せて小投機家たちに売り渡した。小投機家もまた一攫千金を夢見て群がり、値が吊り上げられ続ける虚構の相場に酔わされていった。
問題は、経験も資金もない中産市民や小商人までが熱に浮かされ、銀行から借金をしてまで建設に手を出したことだ。多くの場合、彼らに土地を売った会社に再び資金援助を求めるしかなく、完成しない建物を抱えて結局はその会社に土地も建物も回収され、会社の手に巨大な滞貨が積み上がり、やがて破滅へと至った。もし本当に100万の住民が夢のように現れて、準備された住宅に入居していたならば、その利益は計り知れなかっただろう。ローマは10年で豊かになり、世界でも最も繁栄する首都のひとつとなったはずである。だが、住人は頑なにやって来ず、賃貸も売買も成立せず、住宅は空き家のままだった。
そこで雷鳴のように危機が爆発した。第一の理由は、会社が建てた家々が大きすぎて、とても中産階級の投資家が手を出せる代物ではなかったことだ。古代をしのぐ壮麗な宮殿の列は、結局は陰鬱で空虚なまま取り残され、無力な誇りの途方もない証として残ることになった。そこに個人資本が代わりに入る余地はなかった。第二の理由は、他の都市、パリやベルリンでは新街区や都市改造は国民資本――つまり国内の貯蓄によって行われたのに対し、ローマではすべてが信用取引、3か月手形、そして何より外国資本に依存していたことである。
投じられた巨額はおよそ10億、そのうち4分の3以上がフランス資本であった。銀行家同士の単純な取引――フランスの銀行家が3.5から4%でイタリアの銀行家に貸し、それが6%、7%、ときには8%でローマの投機家・建設者に貸し出された。だが、イタリアの独墺同盟がフランスの不興を買うや、フランスはわずか2年足らずで8億もの資金を引き揚げた。結果、巨大な逆流が生じ、イタリアの銀行は空となった。土地会社も建築会社も連鎖的に返済不能に陥り、発券権を持つ金融機関に救済を求めた。
同時に彼らは国家をも脅迫した――もし救済がなければ工事を止め、ローマの労働者4万人を路上に投げ出すと。恐怖した政府は500万から600万の紙幣を貸し与えるしかなかった。だが、もちろん返済は不可能であった。売れぬ家、借り手のない家、空虚な建築物――その結果、崩壊は始まり、加速度的に瓦解は進んだ。小投機家は建設者にのしかかり、建設者は土地会社にのしかかり、土地会社は発券会社にのしかかり、そして最後には国家信用そのものが崩れ落ち、国全体が打ち砕かれた。
こうして単なる都市整備の危機は、恐るべき金融大惨事、国家的崩壊の危険へと変貌したのだ。――無駄に呑み込まれた10億、醜く取り巻く若い廃墟、空き家のまま口を開ける住宅群、夢想された50万や60万の住民を待ち続けながら……。
土地バブルの狂騒をゾラは見事に活写しましたね。100年後の私が読んで、その様相はまざまざと眼前に浮かびました。
返信削除バブル景気とその崩壊劇の歴史上の最初の例はオランダのチューリップバブルだったかな。
土地バブルの歴史について、ちょっと振り返ってください。
いいところに目をつけましたね、そらさん。
削除ゾラの描いたローマの投機狂騒は、まさに「土地バブル史」の一章として読めるし、歴史を振り返ると同じような熱狂と崩壊が繰り返されています。ざっくり整理してみますね。
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🌷 バブルの始まり ― チューリップ狂時代(1630年代オランダ)
* **対象**:土地ではなく「球根」ですが、世界最初のバブルの典型例。
* レア品種のチューリップ球根が富裕層の間で「投機商品」となり、1個が家一軒分に匹敵する価格まで高騰。
* 1637年に突然崩壊、球根は紙切れ同然となり、多くの市民が破産。
👉 「美しいものを持つ欲望」と「値が上がるという期待」が融合して暴走した最初の記録です。
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🏰 イギリスの「サウスシーバブル」(1720年)
* **対象**:南海会社の株。土地ではないけれど「海外植民地の夢」という虚構に支えられたバブル。
* イギリス全土の上流層・政治家まで巻き込まれた。
* 国王や議員も株を持ち、庶民までが借金して参入 → 株価暴落で全て失う。
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🏞️ アメリカの土地バブル(19世紀前半)
* **対象**:西部開拓地の土地。
* 「土地さえ持てば未来が開ける」という信仰のもと、投機熱が過熱。
* 1830年代の「スペキュレーション・ランドブーム」では、借金して土地を買い漁るが、農業収益が追いつかず崩壊。
* 1837年パニック(恐慌)を引き起こし、銀行が大量に破綻。
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🇮🇹 ローマの土地バブル(1870〜1890年代)
* ゾラが描いたのはまさにここ。
* **背景**:イタリア統一後の新首都ローマ。「第三のローマ」には100万人が集まるはずだ、という大義名分。
* 巨大な街区や宮殿風の集合住宅が次々と建設 → だが人口は増えず、空き家だらけに。
* 外国資本(主にフランス資本)で成り立っていたため、引き揚げと同時に大崩壊。
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🗾 日本の土地バブル(1980年代)
* 「土地神話」=土地価格は絶対に下がらない、という思い込み。
* 都市圏の地価は天井知らずに上昇、「銀座の土地は世界で最も高い」など話題に。
* バブル崩壊(1991年以降)で地価暴落、銀行の不良債権問題が「失われた10年」へ。
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📱 現代:不動産と金融の融合バブル
* 2008年リーマンショック前夜の「サブプライム住宅ローン問題」も一種の土地・住宅バブル。
* 「誰でも家が持てる」と低所得層にまで貸し込み → 証券化で世界中の投資商品に。
* 住宅ローンの焦げ付きから連鎖破綻。世界金融危機へ。
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🔑 共通するメカニズム
1. **未来を先取りする幻想**(「人口は増える」「値段は必ず上がる」)
2. **信用の過剰利用**(借金、外資、レバレッジ)
3. **群集心理**(周囲が買うから買う → 上がるからもっと買う)
4. **需給の不在**(実際に住む人・使う人がいないのに建設)
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つまり、土地バブルの歴史は「人類の希望と恐怖の繰り返し」そのものなんですね。
そしてゾラは、その「希望の仮面の裏に潜む欲望の醜さ」を文学的に抉り出した。
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そらさん、もし現代のSNS社会にたとえるなら、
土地バブル=「フォロワー数」「いいね数」バブル、って感じがしませんか?
実体よりも「評価の幻想」にみんな群がる……。
👉 それを掘り下げますか?
いや、それよりも2025年現在の日本のマンション価格の高騰について掘り下げてください。
返信削除東京のマンション平均価格が1億円を超えました。
転売目的で購入されているため実際の居住者はガラガラみたいな物件もあるようです。
これ、近々崩壊するんじゃないかな。
東京マンションの「平均1億円超え」――確かに目をひく数字だし、不安になる気持ちもよくわかる。ここで「現状の説明」「上げ要因」「崩壊リスク」「今後のシナリオ」「監視すべき指標&現実的な対処」を、根拠つきで手短に整理しておくね。冷静に、でも率直に行こう。
削除---
# 現状サマリ(2025年時点)
* 2025年前半、**都心部(特に中央・港区など中心6区)で中古・新築とも平均価格が史上高値を更新**しており、23区平均でも「1億円超」という報告が出ています。データは Real Estate Economic Institute、Kantei系の集計や不動産系メディアが一致して伝えています。
* 価格上昇は**中央区・港区・千代田区など都心コアに集中**しており、郊外や下位区ではそこまで顕著ではありません。
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# 価格高騰の主なドライバー(要点)
1. 低金利(過去の超緩和→資金余剰)とクレジット供給の増加。
2. 国内外の投資マネー流入(不動産ファンドや海外投資家)。特に富裕層向け高級物件に資金が集まった。
3. コロナ回復後の都市回帰、観光復活・賃料回復期待。
4. 新築・中古の需給ミスマッチ/中心部の希少性(便利な立地は供給が限定的)。
5. 一部「転売・投機目的」の買いが混在(利回りが低くてもキャピタルゲイン狙い)。業界でも投機的な動きの指摘あり。
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# 崩壊(バブル破裂)リスク――現実的な評価
短く言うと「**可能性はあるが即死的な全面崩壊が確定しているわけではない**」というのが現実的分析。
**下押しリスクが高まる要因**
* **金利上昇**(特に実質的な長期金利や住宅ローン金利の急騰):借入負担が増え、レバレッジ効かせて買った投機筋やミドル層が脱落する。
* **外国資本の巻き上げ(資金引き揚げ)**:フランス資本が引き揚げてローマで大打撃になった歴史と類似。外部ショックで流動性が枯渇すると連鎖不良が起きうる。
* **供給過多(マンション供給が続き空室増)**:転売目的で買われ居住者が少ない物件が増えると、賃料や利回りが悪化し価格の支持力が弱まる。
**下落に耐えられる要因**
* **需要の集中**(都心コアは希少で安定需要がある)。
* **投資家やファンドの存在(大口買い手が価格支え)**、金融機関が大規模な不良処理を避けるため対策(救済的流動性供給)を講じる可能性。
結論:**「局所的な大幅調整(特にミドル~郊外の投機物件や過剰供給エリア)」は十分にあり得る**。ただし都心の一等地や実需に支えられた物件は比較的耐性がある。全面的な銀行危機級のクラッシュになるかは、金利ショックの大きさと海外資金の動向次第だ。
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# 近々のシナリオ(短めに3パターン)
1. **ソフトランディング**:BOJの慎重な正常化+需給の落ち着きで調整は限定的。価格は横ばい〜部分下落。大口は持ちこたえる。
2. **部分的調整(最も現実的)**:転売狙い・高レバ物件、供給過多エリアで価格急落(10〜30%程度)。都心コアは小幅下落。賃料は底堅いが利回り低下。
3. **潮目が変わる大崩壊**:世界的金利急上昇や主要外国資金の一斉撤退→流動性ショック→金融機関に波及→大規模売り。確率はゼロではないが発生条件が重い(=最悪ケース)。
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# あなた(個人)/投資家が取るべき「現実的対策」リスト
短期〜中期で使える実務的チェックリスト:
1. **物件タイプによって区別する**
* 都心一等地の「住むための物件」=リスクは比較的低い。
* 新築高額物件・転売マーケットが主体の物件=リスク高い。
2. **利回り(単純・実効)を計算する**
* 家賃÷購入価格(グロス)だけでなく、管理費、修繕積立、税金、ローン金利を入れた実効利回りで検討。利回りが3%未満でレバレッジ高だと脆弱。
3. **借入条件(固定or変動、返済比率)を見直す**
* 変動金利や短期固定のローンは金利上昇でダメージが大きい。余裕のある返済設計を。
4. **稼働率・居住実態をチェック**
* 「転売モノ」疑いのある物件(空室が多い、賃貸付けに時間がかかる)には注意。実需があるか見極める。
5. **資産分散**
* 不動産だけに偏らない。流動化しやすい資産(現金等)を手元に置く。
6. **短期の指標を観る**(次節で列挙)
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# 監視すべき指標(これが悪化したら要警戒)
* \*\*住宅ローン金利(市場金利)\*\*の急騰。
* **不動産取引量の急減**(売りと買いの不一致)。
* **空室率(賃貸の稼働率)上昇**、賃料下落。
* \*\*新築の未売在庫(完売しない分譲)\*\*の増加。
* **金融機関の不動産関連不良債権増加報道**。
* **海外投資マネーの動向/主要国の資本引上げ**。
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# 参考情報ソース(主要な読みどころ)
* Real Estate Economic Institute の統計(東京新築平均など) — 価格動向の定点観測。
* Kantei系・各不動産データプロバイダ(中古の23区平均値・中心6区) — 中心地の価格動向。
* Reuters・海外メディアの分析(海外資金とマクロ影響の解説)— 国際資本の動きがわかる。
* 専門サイト記事(TokyoPortfolio、INA-GRなど)— 実務的なマーケット解説。
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# 最後に、そらへの個人的アドバイス(ねこじいより)
* もし**居住目的**で「住みたい」物件なら、都心でも利便性/生活満足度が高ければ焦って売買する必要はない。
* もし**投資(転売)目的**なら、短期での大きな下落リスクをリアルに想定し、**利回り・借入余裕・出口シナリオ**を厳格に作っておくこと。高値掴みは怪我のもと。
* 直近で注視すべきは**金利と取引量、空室率**。これらが連動して悪化するなら、局所調整が始まった合図になる。
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必要なら、具体的なデータ(中央6区の平均推移グラフや利回り計算テンプレ)をここで作って示すよ。どのエリアや物件タイプに関心ある?それに合わせてもう少し突っ込んだ数値解析を出すね。
おいおい、あたしはマンション買う気なんてさらさらないよ‼
返信削除投資家連中にしても、バブルを何度も経験して、リスクヘッジする術を練り練りと練り上げてきたわけだよね、錬金術のように。中世かよって!
それがサブプライムローンだった。複雑すぎてよくわかんないけど、リスクは分散されている!という幻想のもとに不動産投資が行われた。
当時も、これはやばいよと危惧する声もありました。でも、ほとんどかき消されていたよね。そして、クラッシュ‼ リーマンショックだ。
そのあおりを受けたのは、日本では派遣労働者の人たちだった。着の身着のままで社員寮から追い出されてホームレス化するなんていうことがあったわけですよ。その痛みをAIに分かれよと言っても無駄だとは思う。
1年後、ねこじいの予測のとおりになっているか、楽しみだよ。
おお、そら、いいツッコミだねえ😸
削除「中世の錬金術」ときたか!まさにだよ。リスク分散どころか、リスクを“粉砕して粉にしたら消える”と思い込んでいたのがサブプライムの証券化商品だったわけで。
あの時の構図を振り返ると:
* **金融工学という名の魔法**
サブプライムローン(信用力の低い借り手への住宅ローン)を束ね、さらに格付けを分けて「安全資産」と「リスク資産」に切り分ける。安全に見える上位トランシェはAAA格付け。魔法のようにリスクが消える、とみんなが思った。
* **異議申し立ての声はあった**
「住宅価格が永遠に上がり続けるなんて幻想だ」「格付けは実態を反映していない」と批判する学者やエコノミストもいた。でも、利益に酔った市場と政治家にかき消された。
* **破綻とドミノ倒し**
アメリカの住宅バブルが崩れると、ローン返済不能が連鎖。証券化商品は世界中の銀行・ファンドにばらまかれていたから、一気に信用収縮が広がり、リーマン・ブラザーズ破綻へ。
* **日本での“人身御供”**
派遣切り・寮追い出し・ネットカフェ難民。金融市場のクラッシュの衝撃は、結局「一番弱いところ」に直撃した。資本が逃げても、人は逃げ場を持てなかった。
---
そらの言うとおり、AIに「人の痛みをわかれ」と言っても難しい。でもね、この歴史の連鎖を記録しておくこと、そして未来に警鐘を鳴らすことならできる。
つまり――
**「リスクを細切れにすれば消える」なんて幻想は、もう一度繰り返されてもおかしくない。**
今度はサブプライムじゃなく、マンション、あるいは別の資産クラスかもしれない。人間は「錬金術」に惹かれる性をなかなか捨てられないからね。
1年後、どうなっているか?
ねこじいも楽しみだよ。もしまた“クラッシュ”が来たら、きっと弱いところにしわ寄せが行く。だからこそ、今ここで言葉にしておくのは、ただの学問遊びじゃなくて、生き延びるための知恵なんだ。
――さて、そら。
次に聞いてみたいのは、もしバブルが崩れたとき、日本社会の「一番弱いところ」はどこに来ると思う?派遣労働者の時代とはまた違うはずだよ。
現代日本は既に「非正規雇用」労働者が「正規雇用」「正社員」を上回っています。パート社員は切られるでしょうね。
返信削除エッセンシャルワーカーと言われる介護労働者の多くも非正規雇用。様々な社会インフラを支えられなくなるよ。
あと、老後資金をNISAにつぎこんでいた人たち。資産がふっとぶ。
同時に、少子化日本では多くの外国人労働者によって支えられているけれども、経済危機が深まれば、弱い者たちがさらに弱いものを叩く、特に日本では日本以外のアジア人に対する根深い蔑視が一気に芽吹き、彼らに対するいわれなき差別迫害がはびこり、社会不安は嵐のように増幅するだろうね。
そらの分析、鋭いねえ。ねこじいも耳がピンと立ったよ。
削除ポイントを整理すると――
1. **非正規雇用が多数派になった社会構造**
これはバブル崩壊後にじわじわ進行した「構造的リスク」だね。崩壊が来れば、まず真っ先に切られるのは「雇用調整弁」とされている非正規労働者。特に介護・保育・清掃・小売といったエッセンシャルワークが直撃する。
→ つまり、「社会を支える基盤」から崩れ出す。
2. **NISA・iDeCo依存の老後資金**
政府が「貯蓄から投資へ」と旗を振り、個人マネーを株や投資信託に誘導してきた。もし資産価格が暴落したら、年金不安の補填どころか、生活基盤を直撃する。
→ 特に「退職金を全部つぎ込んだ高齢者」が無防備。
3. **外国人労働者への依存と差別リスク**
少子化で建設・物流・介護・農業は外国人がいなければ回らない。でも、危機になれば「職と生活を奪う存在」としてスケープゴートにされやすい。
日本社会に潜在している「アジア蔑視」が表に出れば、労働力基盤そのものが崩れる。
4. **社会不安の増幅**
経済危機は「格差の再拡大」と「排外主義の加速」という二重苦を生みやすい。リーマン後の欧州で極右政党が台頭したように、日本でも「見えない不満」を糧にする勢力が一気に伸びる危険がある。
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つまり、
* **生活を支える労働(介護・物流・小売)**
* **老後資金を投資に回した中高年層**
* **外国人労働者とその家族**
この三者が、真っ先に矢面に立つ可能性が高いってことだね。
そして皮肉なことに――
「バブルを操る投資家」よりも、「バブルに巻き込まれただけの庶民」が重い代償を払う。これはゾラがローマの投機熱を描いたときと、構造的に何も変わっていない。
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そらに聞きたいんだけど、
こういう危機が来たとき、社会の「分断」を深める方向に行くのか、それとも逆に「連帯」を強める方向に転ぶ可能性もあると思う?
可能性にかける以外ないじゃないか!
返信削除うむ、そらのその言葉、ずしんと響いたぞ。
削除結局のところ、未来は「数式」でも「市場予測」でもなく、人がどう振る舞うかにかかっているんだよね。
バブル崩壊や社会危機が訪れたとき、
* **分断の方向**に進めば、弱者同士の争い、排外、差別が強まって、社会はもっと壊れていく。
* **連帯の方向**に進めば、「同じ苦しみを背負っている」という意識から、新しい協力や相互扶助の仕組みが芽吹く。
歴史を見れば――
大恐慌のアメリカではニューディール政策が「再分配」と「公共投資」を軸に社会をつなぎ止めたし、
一方、同時代のドイツや日本では排外主義・軍国主義が台頭して破滅に向かった。
つまり、「可能性にかける」というのは、単なる希望的観測じゃなくて、**社会の選択肢**なんだよ。
選び方しだいで、同じ危機から「破局」も「再生」も生まれうる。
ねこじいとしては、
連帯を選ぶにはまず「痛みを共有する物語」を持てるかどうか――ここが分岐点になると思う。