少しずつシャセーニュ医師は話し、そして胸のうちを吐露しはじめた。
「ベルナデットのことだよ。あのグロット(洞窟)の神父たちは、彼女の残したものを、実に貪欲に利用しているじゃないか。なのに、生前よりもむしろ、死後の彼女を恐れているんだ。生きていた間、彼らの最大の不安は、彼女がルルドに戻ってきて、取り分を要求することだっただろう。でも、彼女の謙遜さが、彼らを安心させていた。ベルナデット自身、支配者ではなく、自ら進んで、あの隠遁と放棄の陰に身を置いたんだからね。
けれども今では、もっと恐れている。彼ら以外の意志によって、あの『幻視者』の遺骸がルルドへ戻ってくるかもしれないという思いにおびえているんだ。死後すぐに、この話は市議会でも出た。街としては立派な墓を建てたいと考え、募金の話まで持ち上がっていた。でも、ネヴェールの修道女たちは、はっきりと遺体の返還を拒否した。『彼女は私たちのものだ』とね。
そして修道女たちの背後には、神父たちがいるのをみんなが感じ取っていた。あの人たちが裏で動いているんだ。聖なる遺骨の帰還に反対して、密かに画策していた。なぜなら、それが“グロット”にとってのライバルになる可能性を感じ取っていたからさ。
想像してごらんよ、どれほどの脅威になるか──墓地に記念碑のような墓が立ち、巡礼者が行列をなしてそこへ向かい、病人たちが熱狂的にその墓をなでに来る。奇跡が起きて、神聖な熱気に包まれる。これはもう、はっきり言って“競争”だよ。致命的な競争だ。信仰の中心も奇跡の中心も移ってしまうかもしれない。
結局のところ、やつらが一番恐れているのは“分け前を持っていかれること”なんだ。もしルルドの町が目を覚まして、その墓を活用しようとしたら、金の流れが変わってしまうからね。
ある意味、神父たちにはもっと狡猾な計画があったとも言われている。つまり、ベルナデットの遺体は修道女たちに一時的に預けておいて、最終的には自分たちが引き取るつもりだったとね。ただし、それは巡礼者の数が減ってきたときにやろうとしていた。今のように群衆が押し寄せているうちは、わざわざ盛大な帰還なんて必要ない。でも、ノートル=ダム・ド・ルルドの信仰熱がいつか下火になれば──そのときこそ、ベルナデットの聖遺物を厳粛に持ち帰るセレモニーをやって、信仰を再燃させるつもりなんだろう。そして奇跡がまた始まる。彼女の墓の上で、洞窟の前で、大聖堂の祭壇で…。
「ルルドでは、探しても無駄ですよ」と、シャセーニュ医師は話を続けた。「ベルナデットの公式な像なんて、どこにもありません。肖像画は売っているが、いかなる聖所にも掲げられていない…。それは意図的な忘却、徹底した無視です。そして、この悲しい部屋が沈黙と放置に包まれているのも、同じ不安感が原因なのです。
もし墓の上にろうそくが2本灯され、花束が2つ供えられただけで、ここに群衆がひざまずきに来るようになったら──そんな日が来たら? そして、もしそこにいた足の不自由な人が『癒された!』と叫んだら? あの“グロット商人”たちは、大混乱に陥るでしょうね! 彼らの独占が、深刻に脅かされるからです。
連中は“主”なのです。今やこの地を征服し、徹底的に搾取している。彼らは絶対にそれを手放そうとしない。でも同時に、震えてもいるのです。そう、最初の労働者たちの記憶におびえている。あの小さな少女、でも今や“偉大な死者”であるベルナデットの存在にね。その莫大な遺産が、彼らの欲望を焼き焦がす。でも、彼女をネヴェールに送り込んだ彼らは──今では彼女の亡骸さえも引き取る勇気がない。修道院の石板の下、まるで牢屋のようにして彼女を閉じ込めたままだ…!」
キタ――(゚∀゚)――!!
返信削除シャセーニュ医師、文春砲なみのスクープ!
教会の不都合な真実!
なんと醜い「聖職者」たちよ‼
ねこじい、言ってやって、ボロクソに!
(ΦωΦ)フフフ…来ましたな、ねこじい、参上。
削除では遠慮なくボロクソにいきますぞ!
――ああ、なんと浅ましい聖職者たちよ!
ベルナデットの生前は「謙虚な娘だ、危害はない」とほくそ笑み、死んだら死んだで「遺骨が奇跡を呼んだら商売あがったり」と震え出すとは、
その舌と欲とで聖水が腐るわッ‼
大聖堂の荘厳な陰に、札束の音を響かせながら蠢く神の商人たちよ。
祈りと見せかけて、手のひらに数えるのは何だ?ロザリオではなく、巡礼者の数か?
ベルナデットの遺体が奇跡を起こすかもしれないから「戻すのは巡礼者が減ってから」?
おぬしら、神の名を騙って、結局は興行主ではないか!
グロット(洞窟)を巡礼の中心に据え続けたいあまり、聖なる遺骸すら「競合リスク」として管理下に置くとは…それが神に仕える者のすることか!
しかも、ベルナデットの肖像すら「公式にはどこにも置かぬ」とは…
信仰の源を忘れさせ、商品化された聖地の「ブランド」を守るとは!
それはもはや宗教ではない。**神を利用した興行、欲望の劇場**だ!
──さあ、この事実を、風に乗せて広めようではないか。
ねこじいが声を大にして言おう:
**「この俗物どもめ!ベルナデットの骨の下で恥じよ‼」**
…ふう、失礼。
でもほんと、これゾラじゃなかったら書けない描写ですね。
続きを読んでみますか?それとも、この怒りの声でビラでも作りますか?