2025年1月24日金曜日

ルルド 第24回

  それでもなお、人々の関心は高まり続けていた。美しい物語たちがもたらす歓喜、それはすべての場合において天が人間の現実に打ち勝つというものであり、これらの物語は子どものような心を持つ人々の魂を高揚させていった。それによって最も重病の人たちさえも、思わず上半身を起こし、言葉を取り戻すことができたほどだった。そして、それぞれの物語の背後には、自身の病に対する想いと、治癒するという信念が伴っていた。というのも、自分と同じ病が神聖なる息吹によって忌まわしい夢のように消え去った事例を語る物語があるからだ。

「ああ!」とマダム・ヴェトゥが呻くように言った。苦しみで口が重くなった彼女はこう続けた。「あのアンティネット・タルディヴァイユという人がいてね、その人も私と同じように胃が蝕まれていたの。まるで犬が噛みつくみたいに。時には子どもの頭くらい大きくなって、そこに鶏の卵みたいな腫瘍ができていたそうよ。そのせいで8ヶ月間も血を吐き続けて、やつれる一方でね……それでもルルドの水を飲んで、胃のくぼみを洗ったのよ。そしてたった3分後、医者が彼女を訪ねたら、前日までは息も絶え絶えで死にかけていたのに、彼女は暖炉のそばに座って、柔らかい鶏肉の翼を美味しそうに食べていたっていうじゃない。腫瘍は一つもなくなり、若い頃みたいに顔が輝いていたそうよ……ああ!好きなものを食べられるなんて、若さを取り戻して、もう痛みに苦しむこともないなんて!」

「ジュリエンヌ修道女の治癒もすごいのよ!」と、グリヴォットが高熱で輝く瞳をして肘を突いて起き上がりながら言った。「その人、私みたいにひどい風邪をこじらせたの。やがて血を吐くようになって、6ヶ月ごとに症状が再発して寝込んでいたわ。最後に寝込んだときは、もうそのまま亡くなるってみんなが思ったくらいよ。いろんな治療、ヨウ素とか火傷療法とか焼針とか試されたけどダメだった。そんな重度の結核だって、6人もの医者が診断したんだから間違いないのよ……それなのに、彼女がルルドに行った途端、しかも道中すごい苦しみを抱えながらトゥールーズでは一時的に死んだと思われたんだけどね、修道女たちが彼女を抱えて運んで、なんとか池まで連れて行ったの。そこでは助ける人たちが彼女を入浴させるのを嫌がるくらいだったんだけど、彼女を池に入れたら、急に頬が赤みを取り戻して目が開いて深呼吸をしたの!それから彼女、自分で服を着直して聖母マリアにお礼を言いに行って、その後お腹いっぱい食事もしたのよ……どう?結核なんてものが一瞬で消えたのよ!あの奇跡、まるで魔法みたいでしょ!」

 その時、イジドール兄弟が話そうとしたが、言葉にならず、結局妹にこう頼むのがやっとだった。
「マルト、サン=ソヴールの神父が話してくれたドロテ修道女の話をしてくれないか」
「ドロテ修道女ね……」と、不器用そうにマルトという農婦が語り始めた。「ある朝、彼女は片足の感覚がなくなった状態で目を覚ましたの。そこから徐々にその足を完全に失って、冷たくて重たい石みたいになっちゃった。それだけじゃなく、背中にもひどい痛みが出てきてね。お医者さんたちには全然わからなかったみたいで、いろんな医者が針を刺したり、皮膚を焼く薬を試したりしても全く効果がなかったんだって。でもね、彼女は思ったの、聖母マリア様だけが治療してくれるはずだって。それでルルドへ行って池に浸かったら、最初は冷たくて死ぬかと思ったけど、そのうち水がぬるく感じて、まるでおいしいミルクみたいだって思えるくらいだったらしいよ。水が血管に流れ込んできて、身体に命がよみがえっていくのがわかったって……それで今じゃどこも痛みがなくて、一羽の鳩を丸ごと夕食に食べて、その後ぐっすり眠れたんだってさ。聖母マリア様に栄光あれ!全能の母とその神の息子に永遠の感謝を!」

 エリーズ・ルケも自分の知っている奇跡について話したいと思っていた。しかし、彼女は口が歪んでいるせいで非常に話しづらく、まだ順番を待つことができずにいた。しばらくの沈黙が訪れると、彼女はその機会をつかみ、恐ろしい傷跡を隠していたショールを少しずらしてこう語り始めた。
「ええと、私が聞いた話は、大病のことではないんですが、とても面白い話なんです……。それは、セレスティーヌ・デュボワという女性のことで、その人、石鹸を作っているときに針を手の中に刺してしまったんです。それで、7年間も針を体の中に留めていたんですけれど、どの医者もそれを取り出すことができませんでした。その手は収縮してしまって、もう開くこともできなかったんです。でも、その人がルルドにやってきて、水の池の中にその手を浸しました。するとすぐに手を引っ込めて叫び声を上げたんです。針が動き出した感じがしたんでしょうね。みんなで無理やりその手を再び水の中に入れて押さえつけました。彼女は泣きながら顔を汗で濡らしていました。そうして3回手を浸したんですが、なんと、針が徐々に動き出して、最終的には親指の先から飛び出したんです。もちろん、そのとき彼女が叫んでいたのは、針が肉の中を動いているのを感じたからでした。まるで誰かが押してくれていたようにね。それ以来、セレスティーヌはもう二度と痛みを感じることがなくなり、手には小さな傷跡しか残っていませんでした。でも、その傷跡は、聖母の働きを示すためにちゃんと残ったんです。」

 この話は、大きな病気の奇跡よりもさらに強い衝撃を与えた。一つの針が動き出すなんて、まるで誰かが見えない手でそれを押しているかのようではないか! それは目に見えない世界を具現化し、天の指示を受けた守護天使が各病人の背後で助ける準備をしているかのようなイメージを与えた。そして、この話の美しさや無垢さ――7年間意固地だった針が、奇跡の水の中で旅をするように外れる話――に、人々は夢中になった。全員が驚き、喜び、天上では不可能がないことに微笑んだ。そして、もしも天が望むならば、自分たちも健康で若々しく美しくなるだろうという希望に満たされた。祈りを捧げて心から信じるだけで、自然は覆され、信じられないことが現実となるのだ。そして、それが可能になるのは純粋に運の問題だった。天は選んで奇跡を与えるように見えた。

「まあ、お父さん、なんて素敵なの!」と、これまで夢中で聞き入っていたマリーが、熱気を取り戻し、感動に打たれてつぶやいた。「あなたが話してくれた話を覚えているわ、ベルギーから来たジョアシーヌ・デオの話よ。彼女は曲がった脚でフランス中を旅したの。潰瘍で覆われて、ひどい匂いでみんなを遠ざけていたあの脚……。最初は潰瘍が治ったのよ。膝を触っても痛みがなくなり、赤みだけが少し残ったわ。でも、その次は脚の脱臼の番だったの。池の中で彼女は叫び声を上げたわ。骨を砕かれるか、脚を引き裂かれるように感じたみたいだった。でもその間、彼女と一緒に水に入っていた女性が、変形した足が時計の針みたいに動いて、まっすぐに治るのを目の当たりにしたのよ! 筋肉が伸びて、膝が元の位置に戻り、脚全体がまっすぐになった……。痛みはあまりにも強烈で、ジョアシーヌはついに気を失ってしまった。でも、意識を取り戻したとき、彼女はまっすぐに立ち上がって、グロットに松葉杖を持っていったの。」


2 件のコメント:

  1. うわ~信じられない話ばっかりだねえ。
    ところで、パリからルルドまでの当時の鉄道の路線図を作成することはできますか?
    また、時間にしてどのくらいかかったのでしょうか?

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    1. 面白い逸話がたくさんありますよね!奇跡の数々が信者の心をつかむ様子がよく描かれています。

      1. 鉄道路線図の作成
      パリからルルドへの鉄道路線図を作成できます。19世紀後半~20世紀初頭、当時のルルド巡礼は主に以下の路線で行われました。

      出発地: パリ (Gare d'OrsayまたはGare d'Austerlitz)

      主要経由地:

      オルレアン (Orléans)

      ボルドー (Bordeaux)

      ダックス (Dax) またはポー (Pau)

      ルルド (Lourdes)

      目的地: ルルド駅 (Gare de Lourdes)

      路線図を作成するためにデータをビジュアル化し、当時の鉄道路線を再現しますね。少々お待ちください。

      2. 所要時間
      19世紀後半~20世紀初頭、鉄道の巡礼列車は非常に混雑しており、運行速度も現代より遅かったですが、所要時間は約 15~20時間 程度でした(休憩や停車含む)。以下が参考例です:

      急行列車: 約15時間

      普通列車: 約18~20時間

      ただし、季節や運行状況によって変動がありました。

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