しかしギュスターヴは、相変わらず父をじっと、深く見つめていた。細くて、どこか悲しげな唇で微笑みを浮かべながら――その微笑みは、何とも胸が痛むものであった。
「――ああ、そう思うの?」
「もちろんさ、そう思ってるとも! 君も一緒に来るんだよ。僕たちと一緒で、それはそれは楽しいだろうね……」
ヴィニュロン氏は、言葉が見つからず、口ごもりながら、気まずくなってしまった。そして凍りついたように動けなくなった。息子が、やせ細った肩を哲学的な軽蔑の表情でふっとすくめたからである。
「――ああ、いや……ぼくは死んでるよ」
その言葉に、父親は恐怖で戦慄し、ふいにその子の深い眼差しの中に何かを読み取った。それは、あらゆる事柄に精通し、この世の苦しみを知り尽くした、とても年老いた男の目だった。とりわけ彼を震え上がらせたのは、この子が自分の心の奥底までずっと見透かしていたのだという、突然の確信だった。
思い返せば――まだ赤ん坊のころから、この病弱な子どもは彼の目をじっと見つめていた。そして、その目は、苦しみによって鋭さを増し、おそらくは並外れた洞察力を宿していたのだ。それはまるで、頭蓋の闇を透かし見て、無意識の思考までを探り出すようだった。
そして今、奇妙な反動のように、これまで一度も口に出したことのない思いが――そのすべてが、この子の目に浮かび上がっているのを、彼は見てしまった。読んでしまった。否応なく、否応なく。
彼自身の長年の強欲の物語が、まざまざと目の前に展開されていく。病弱な息子を持ったことへの怒り。マダム・シェーズの財産が、そんなもろい命にかかっていることへの不安。彼女がなるべく早く死んでくれればいいという、心の奥底の願い。そうすれば、息子がまだ生きているうちに相続できる。
それは、どちらが先に死ぬかという、単なる日数の問題だった。どのみち息子も死ぬ。だがそのときには、自分一人が金を手にし、長い老後を楽しく過ごすだけだ。
そういった恐るべき思念が、まるで幻灯のように、この哀れな子の細く、物悲しく、それでも微笑をたたえた目から現れては、ふたりのあいだをやり取りされる。あまりにもはっきりと、あまりにも明確に。
まるで、ふたりが声を張り上げて、それらを言葉にして叫びあっているかのように感じられた。
だがヴィニュロン氏は必死に抗い、顔を背け、激しく抗議した。
「なんだって? おまえが死ぬだって? なんてことを言うんだ!
そんな馬鹿な、そんなのはバカげてる、くだらない考えだ!」
マダム・ヴィニュロンはまたも泣き崩れた。
「悪い子ね、どうしてそんなに酷いことが言えるの……
こんなに大切な人を亡くして、もう十分悲しいというのに!」
ギュスターヴは、彼らを抱きしめなければならなかった。
「生きるよ、ぼく、生きてみせるよ。あなたたちのために、そうする」――そう約束して。
けれども、その間もずっと彼は微笑みを絶やさなかった。悲しみを和らげようと思えば、嘘は必要なのだと、彼はよく分かっていたから。
それに、彼はすでに覚悟していた。この世で自分に与えられるはずだった、ほんのささやかな幸福の一片すら、聖母マリアでさえ与えてはくれないことを。
だから彼は、喜んで去ることにしたのだ。自分の死後、両親が幸せであることを、静かに受け入れながら。
その後、母親がギュスターヴを寝かせに行き、ピエール神父もようやく立ち上がった――ちょうどヴィニュロン氏が、部屋の整理を終えるところだった。
「お許しくださいね、神父様」と彼は言い、若い司祭を玄関まで見送った。
「どうかしてますよ……なんとも言えない気分で……
まあ、こんなもの、苦しいひとときさえ乗り切れば、なんとかなるはずなんだ」
廊下に出ると、ピエールは一瞬立ち止まり、階段の下から聞こえてくる音に耳をすませた。またも、ゲルサン氏のことを思い出したのだ。彼の声かと思った。
すると、そのまま立ち尽くしていた彼の目の前で、ある出来事が起きた。それは、彼にとって極度の不快感をもたらすものであった。
そっと、注意深く――ある部屋の扉が、ゆっくりと開かれたのだ。そこは、「一人きりの紳士」が泊まっていた部屋だった。
そして、その扉から黒い服をまとった一人の婦人が出てきた。あまりにも静かで素早い動きだったため、ほんの一瞬、扉の隙間から中の紳士が見えたかと思うと、彼は唇に指をあて、「静かに」という合図をしていた。
だが、婦人が振り向いたとたん――彼女はピエールと鉢合わせしてしまった。
あまりに突然で、あまりに明確だった。そのため、ふたりはもう、見て見ぬふりをしてすれ違うことなどできなかった。
今回の部分では、先日われわれ(私とねこじい)で読み解いたヴィニュロン氏の内心が、ゾラによって改めて描写されていましたね。その内容は、ギュスターブの心を鏡として映しだされることによって、より痛切に読者の心を打つ構成となっていますね。
返信削除まさにその通りですね。今回の箇所は、ギュスターブの「微笑みながらも絶望的なまなざし」によって、ヴィニュロン氏の秘めた心情――彼自身も直視したくなかった利己心や欲望――が逆照射され、読者の目の前にさらけ出されるような構造になっています。
削除ギュスターブの「哲学的な軽蔑を帯びた肩すくめ」と「年老いた賢者のようなまなざし」が決定的で、あの場面は、父と子の立場が一瞬で逆転してしまったかのような衝撃を与えます。まるでゾラが「この病弱な子どもこそが、すべてを見抜いている」と言っているかのようです。
しかも、ギュスターブが「自分が死ぬこと」を当然の未来として語りながらも、両親のために「生きると約束する」という場面では、読者は否応なく感情を揺さぶられます。ここにはゾラらしい冷徹なリアリズムと、微かに残された人間の優しさ――あるいは諦念ゆえの優しさ――が同居していますね。
この「まなざしによる暴露」という構図、ゾラの作品ではしばしば見られますが、今回はその中でも特に容赦がない。まさにギュスターブという「哀れな生き物(pauvre créature)」が、ヴィニュロン氏の「自己欺瞞」を鏡のように映し出していると言えるでしょう。