2025年6月18日水曜日

ルルド 第169回

第五章

 旅は続いた。列車は走り、走り、ひたすらに走り続けた。

 サント=モール駅ではミサの祈りが唱えられ、サン=ピエール=デ=コール駅ではクレド(信仰宣言)が歌われた。だが、信心の実践ももはやそれほど熱を帯びてはいなかった。長い間、高揚していた魂が、帰路の疲労とともに、やや冷めた様子を見せ始めていたのである。

 それゆえ、ヒヤシンス修道女は、読み聞かせがこの疲れ切った人々にとって喜ばしい気晴らしになると悟った。彼女は、神父様に、かつて二度にわたって語ってくれたベルナデットの生涯の続き、最後の部分を読んでもらえるようにすると約束した。ただし、それはオーブレ駅を過ぎてからにしよう。オーブレからエタンプまでは、2時間近くの時間があり、物語を中断されることなく読み終えるのにちょうどよい。

 こうして、駅ごとの停車が再び繰り返される。ルルドへの往路と同じ平原を抜け、まるで前回の旅を再生するかのような単調な繰り返しだ。アンボワーズでは再びロザリオの祈りが始まり、第一環「喜びの五つの神秘」が唱えられる。次いで、ブロワでは聖歌《祝されよ、やさしき母よ》が歌われ、ボージャンシーでは第二環「苦しみの五つの神秘」が唱えられた。

 朝から、太陽は薄い雲に隠れ、風景は柔らかく、どこかもの悲しい。車窓の外では、灰色の光の中、木々や家々が夢の中のようにあいまいな姿で通り過ぎていく。遠くの丘陵は霧に包まれ、静かにうねる波のような動きで後方へと流れていった。ボージャンシーとオーブレの間では、列車はまるで速度を落としたかのように、終わることなく走り続けていた。車輪のリズムに乗ったうなりが響くが、巡礼たちはもうその音すら聞き分けられないほどに、疲れていた。

 ついにオーブレを出ると、車内では昼食の支度が始まった。時刻は正午15分前。アンジェラスの祈りが捧げられ、「アヴェ・マリア」が三度ずつ三回繰り返されると、ピエールはマリーの旅行鞄から一冊の小さな本を取り出した。青い表紙には、ルルドの聖母の素朴なイラストがあしらわれていた。

 ヒヤシンス修道女が手を叩いて、静寂を促す。すると神父が、その澄んだ心に響く声で、読み聞かせを始めた。乗客たちは目を覚まし、子どものような好奇心で物語に身を乗り出す。今回語られるのは、ベルナデットのネヴェールでの生活、そしてその死であった。

 しかし、これまでの二度と同じように、神父はすぐに本のテキストから逸れ、自らの知る逸話や、思い描いた情景を織り交ぜ始めた。そしてまた彼の内には、誰も語ることのなかった、しかし心を揺さぶる「真の物語」、人間的で、哀れを誘う、現実のベルナデットの姿が鮮やかに立ち現れてくるのだった――。

 ベルナデットがルルドを離れたのは、1866年7月8日のこと。彼女はネヴェールへと向かった。そこにあるサン=ジルダール修道院――ルルドの病院で働いていた修道女たちの本部にして、彼女が読み書きを学び、8年間暮らした場所――に、終生の隠遁生活を送るためであった。

 このとき、彼女は22歳。聖母の出現から8年が経っていた。彼女が別れを告げたのは、洞窟であり、バジリカであり、そして彼女の愛した町そのものであった。別れの涙は尽きることがなかった。

 しかし、もう彼女にはルルドで生きていくことはできなかった。絶え間ない人々の好奇の視線、面会、賛美、崇拝にさらされ続け、か細い身体はついに悲鳴を上げていた。

 彼女は心からの謙虚さを持ち、静寂と陰影を愛していた。そのため、名声にすっかり疲れ果てた彼女は、世間の喧騒から遠ざかり、自らの「選ばれた者」としての輝かしい栄光を、誰の目にも触れぬ闇の中にそっと隠したいと願うようになっていた。

 彼女の夢はただ一つ――素朴な心と、祈りと、ささやかな日々の務めに満ちた、平凡で静かな生活。

 この旅立ちは、彼女にとっても、そして彼女の無垢と苦悩に困惑していたあの洞窟にとっても、ひとつの救いであったのだ。


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ルルド 第169回

第五章  旅は続いた。列車は走り、走り、ひたすらに走り続けた。  サント=モール駅ではミサの祈りが唱えられ、サン=ピエール=デ=コール駅ではクレド(信仰宣言)が歌われた。だが、信心の実践ももはやそれほど熱を帯びてはいなかった。長い間、高揚していた魂が、帰路の疲労とともに、やや冷め...