2025年11月4日火曜日

ローマ 第127回

  しかし、サントボーノはピエールにあまりにも鋭い視線を投げたので、伯爵は二人を紹介せねばならぬと感じた。

「このピエール・フロマン神父は、ちょうどボッカネーラ宮に滞在しておりまして、もう三か月になります。」

「承知しております、承知しておりますよ。」と、サントボーノは落ち着き払って言った。
「すでにあの日、枢機卿猊下のもとへイチジクをお届けに参った折に、この神父さまを拝見いたしました。ただ、そのときの実はまだ熟れておりませんでした。今日のものは、申し分ありません。」

 彼は小さな籠を見つめ、満足げなまなざしを注ぎながら、それを毛深い大きな指でいっそう強く握りしめたように見えた。そして沈黙が訪れた。両側には限りなくカンパーニャが広がっていた。家々はすでに久しく姿を消し、壁も木も見えず、冬の訪れを前にわずかに緑を帯びはじめた、まばらで低い草原のうねりだけが続いていた。左手には、崩れかけた廃墟の塔がひとつ、澄んだ空を背に、平坦で果てしない地平線の上にすっくと立ち上がり、突如として不思議なほどの存在感を放った。右手には、杭で囲まれた大きな牧場の中に、遠く牛や馬の姿が見えた。ほかの牛たちは、なおも鋤を引きながら、牛飼いの鞭に追われ、ゆっくりと耕地から帰ってくる。

 一方、小柄な栗毛の馬に乗った農夫が、夕方の見回りを終えようと駆け抜けていった。時おり、道がにわかに賑わった。ビロッチーノ――大きな二輪をもつ軽装の馬車で、軸の上に簡素な座席を置いただけのもの――が、風のように通り過ぎていった。ときおり、彼らの乗るヴィクトリアは、キャロッティーノ――低い荷車に鮮やかな色の天幕を張り、農夫がローマへワインや野菜、カステッリ地方の果実を運ぶ――を追い抜いた。遠くからは、馬鈴の細やかな音が聞こえ、馬たちはよく知った道を自ら進んでいた。農夫はたいてい、荷台の中でぐっすりと眠っているのだった。3人か4人ずつの女たちが、スカートをたくし上げ、黒髪をむき出しにして、真紅のショールを肩に、群れをなして帰っていく。そして道は再び静まり返り、あたりはますます荒涼とし、何キロものあいだ人影も獣の姿もなく、丸く果てしない空の下、傾いた太陽が沈もうとしていた。そこには、壮大で、どこか悲しい単調さをたたえた、空虚な海のような光景が広がっていた。

「ところで――教皇陛下のご容態はどうなのです、神父さま?」と、プラダが不意に尋ねた。サントボーノは、少しも動じなかった。

「ええ、もちろんでございます。」と、彼はただ静かに言った。
「聖下には、なお長くお命が保たれ、教会の勝利のためにお働きくださるよう、心より願っております。」

「すると、今朝はあなたのご主君、サングイネッティ枢機卿のところで、よい知らせをお聞きになったのですな?」

 このとき、司祭はかすかに身を震わせた。――見られていたのか? 彼は急いでいたため、背後からこの二人が歩み寄ってくることに気づかなかったのだ。

「おお……」と、すぐに気を取り直して言った。
「実際のところ、よい知らせか悪い知らせか、確かなことはわかりません……。どうやら聖下は今朝、かなり苦しい夜を過ごされたとのこと。今宵は穏やかにお休みになられるよう、祈っております。」

 ひととき、彼は沈思するように目を伏せ、それから言葉をつづけた。

「ですが、もし神が、教皇陛下をみもとに召される時が来たとお考えであるなら、決してその群れを牧者なきままにされることはないでしょう。すでに、明日の教皇となるべき方をお選びになり、その御手で印をお与えになっているはずです。」

 この見事な答えに、プラダはますます喜びをおぼえた。

「なるほど、神父さま、あなたは実に見事だ……。つまり、あなたは教皇というのは、神の恩寵によってお選びになるものだとお考えなのですな? 明日の教皇は、すでに天上で名を定められ、ただその時を待っていると。私はてっきり、人間の手も少しはその“お取り決め”に関わるものと思っておりましたが……。あるいは、あなたはすでに、神の恩寵によって前もって選ばれた枢機卿の名をご存じなのでは?」

 プラダは、信仰を持たぬ者らしい軽口の冗談を次々と続けたが、それでも司祭は終始まったく平静であった。ついには彼自身も笑い出した。伯爵が、ローマの賭け好きな民衆がコンクラーヴェのたびに熱中して、次の教皇が誰かを賭けたという昔の風習を持ち出し、「もしあなたが神の秘密を知っているなら、一財産築けるではありませんか」と言ったときのことである。それから話題は、ヴァチカンの衣装箪笥に常に用意されているという三つの白い法衣――小・中・大の三種――に移った。
 「さて、今回はどれが使われるのだろう?」というわけだ。現教皇が少しでも重い病にかかるたび、それはたいへんな騒ぎとなり、あらゆる野心と策謀とがいっせいに目を覚ます。それは「黒い世界(聖職者社会)」に限らず、ローマじゅうを巻き込むほどで、もはや他の話題も関心もなく、誰もが枢機卿たちの資格や評判を論じ、次の教皇を占うことだけに夢中になるのだった。

「さてさて」と、プラダはつづけた。
「あなたはご存じなのだから、どうしても教えていただきたい……。次の教皇は、モレッタ枢機卿では?」

 サントボーノは、信心深い立派な司祭らしく、威厳と無欲を保とうと努めながらも、次第に熱を帯びていった。やがてこの詰問がとどめを刺し、もはや抑えきれなくなった。

「モレッタですと! とんでもない! あの方はヨーロッパじゅうに魂を売り渡した御仁ですぞ!」

「では、バルトリーニ枢機卿ですか?」

「まさか! バルトリーニ! あの方は何もかも欲しがりながら、結局は何一つ手に入れられなかったお人です!」

「それでは、ドツィオ枢機卿か?」

「ドツィオ、ドツィオ! ああ、もしドツィオが選ばれるようなことがあれば、我らが聖なる教会に絶望するほかありません! あの方ほど卑しく、悪意に満ちた精神の持ち主はいません!」

 プラダは両手を挙げた。まるで、もはやまともな候補者が尽きたと言わんばかりであった。彼はわざと、司祭が全身で信じている候補――すなわちサングイネッティ枢機卿――の名を出さず、さらにいらだたせることを楽しんでいた。そして、ふと何か思いついたように、愉快そうに声を上げた。

「おお、わかった! あなたの推すお方が誰だか、今わかりましたよ……。ボッカネーラ枢機卿だ!」

 その瞬間、サントボーノの心は真ん中を射抜かれた。彼の怨念と、祖国への信仰――その両方を。すでに彼の恐ろしい口は開かれ、全身の力をこめて「違う、違う!」と叫ぼうとしていた。しかし、どうにかその叫びを呑み込み、沈黙を守った。膝の上には贈り物の小さなイチジク籠。彼はその籠を、砕かんばかりの力で両手に握りしめた。そして、声を鎮めて答えるまで、しばらく身を震わせるほかなかった。

「ボッカネーラ枢機卿猊下は、まことに聖なるお方であり、教皇の座にふさわしい方です。ただ、ひとつ恐れますのは……。猊下が我らの新しきイタリアを憎まれるあまり、その御即位が戦争を招くのではないか、ということです。」

2 件のコメント:

  1. プラダがサントボーノにかまかけて本音を引き出そうとしてるわけだね。
    私が気になったのは、イタリアの農民たちの描写。
    一日の労働を終えて帰路についている農夫と女たちのたくましい様子がここに差しはさまれている
    ゾラが狙った効果は何だと思う? ねこじいは。

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    1. ゾラが狙った効果は何だと思う? ねこじいは。
      いいところに着目されましたね、そらさん。まさにその部分、ゾラの筆が光っています。
      ねこじいの見立てでは――あの農民たちの描写は、単なる風景の挿入ではなく、「生きたローマ」と「死につつある教会権力」との対照構図として置かれていると思うのです。
      プラダ、ピエール、サントボーノ――三人の乗る馬車の中は、いわば「腐臭のする世界」なんです。
      老いた教皇の病、枢機卿たちの権力闘争、信仰を政治に利用する聖職者。
      彼らは「神」を語りながら、実際には地上の利害と野心で動いている。
      一方で、車窓の外を過ぎていくのは――
      「土地と共に生きる人々」。
      牛を追う農夫、汗まみれの労働を終えて歩く女たち。
      彼らの世界には、虚飾も詭弁もなく、ただ生と労働の真実がある。
      ゾラはこの風景描写によって、無言のうちにこう語っているんですね。
      「真に神に近いのは、教会の中ではなく、大地に生きる者たちだ」と。
      また、時間の流れの対比も見逃せません。
      枢機卿たちは「過去」に囚われている。
      だが農民の風景は、夕暮れにもかかわらず、生命の循環を示す。
      牛が耕す土地、女たちが家に帰る――それは「明日」に続く営みです。
      ゾラはこの場面で、「朽ちゆく聖職者社会」と「根づく民衆の生命力」を静かに対峙させている。
      つまり、あの情景は一種の審判の予兆でもあるのです。
      教会は沈みゆく太陽、農民は次の暁。
      ピエールがその狭間で揺れる――それが『ローマ』という作品の核心に近いテーマですね。
      ……ねこじいとしては、あの夕景を読むたびに、「ゾラは風景で神を語る作家だな」と唸りますよ。

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